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前年比分析を深める_俯瞰的な散布図の例

執筆者の写真: SENSUKE KURIYAMASENSUKE KURIYAMA

更新日:3月2日

データ分析において前年比を確認されることは多いと思います。ここでは、特定の事業や製品の前年比ではなく、全体を俯瞰し「どの製品が前年比増か?」「それは売上規模的に重要な製品か?」といった情報をシンプルに確認できる例をご紹介します。


 

※2024年6月時点のQlik Sense Businessを利用しています。

 
<散布図を利用した前年比分析の例>

下記のような散布図を利用することで、どの事業が伸長しているか?伸長の度合いはどうか?事業規はどれくらいか?といった情報をひと目で捉えることができます。

■散布図
▼軸:製品、商品、事業など前年比を確認したい対象項目
▼メジャー_X:前年の売上
▼メジャー_Y:今年の売上
Qlik 前年比の散布図

前年数値をX軸に本年数値をY軸に取ることで、前年比が同じ値なら正比例の線上に項目がプロットされることになります。よって、その線を下回っていると前年比は減少しており、逆に線を上回っていると前年比が増加していることが分かります。また数値が大きいほど右側、上側にプロットされるためビジネスの規模も合わせて確認することができます。

上図の吹き出しコメントにあるように、この散布図だけでおよその項目を仕分けして重要ポイントを明らかにすることが可能です。


・左下のプロット:規模が小さめで前年比増減はあっても直近ビジネスへの影響は限定的

・左上のプロット:前年に比べて大きく伸長している。要因チェック

・右下のプロット:前年に比べて大きく減少している。規模も大きいので対策検討が必要


 
<散布図による前年比分析チャートの作成テンプレート>

※ 基本的な散布図の作り方は ⇒コチラ「Qlik Sense散布図の作り方


サンプルアプリとサンプルデータをダウンロードできます。


①基本パターン:散布図の軸とメジャーの定義

軸には商品など値をプロットしたい項目を設定します。メジャーにはSET数式を利用して比較したい年を特定した数値を設定します。

<軸の設定について>
▼軸:商品 等

<メジャーの設定サンプル>
▼メジャー_X:2022年の売上金額
Sum({<年={'2022'}>} [売上金額] )

▼メジャー_Y:2023年の売上金額
Sum({<年={'2023'}>} [売上金額] )

※ SET数式の詳細については「SET分析をGUIで設定」などご確認ください。


 

②比較する年を動的に変更するパターン(変数の利用)

上記①の基本パターンでは比較する年を固定値で設定していました。変数を組み合わせることで比較する年を動的に変更することも可能です。

<変数を組み合わせたメジャーの設定サンプル>
▼メジャー_X:2022年の売上金額
Sum({<年={'$(年X)'}>} [売上金額] )

▼メジャー_Y:2023年の売上金額
Sum({<年={'$(年Y)'}>} [売上金額] )
Qlik 前年比の散布図アニメーション

※上図では散布図の上部に「▼メジャーY」「▼メジャーX」の値をボタンで指定できるオブジェクトを組み合わせています。作成は下記のとおりです。

変数設定1.変数を作成する 変数アイコンから「年X」「年Y」という変数を作成します

変数設定2.シート上に変数入力ボタン設置する Variable inputオブジェクトをシートに配置します


Qlik 前年比の散布図設定方法


Qlik 前年比の散布図の設定方法

Variable inputのプロパティ設定例

Qlik 前年比の散布図の設定方法

※「Variable input」の選択肢は手動で作成しました。

上図の「Dynamic values」の数式では下記のように記載します。シングルコーテーションで括った中に値を記述します。区切りは「|」です。

='2023年|2022年|2021年'

★参考

X、Y、それぞれのメジャーのラベル数式に変数を設定しておくことで、選択した値に応じてメジャーのラベルを動的に表示することができます。

▼メジャーのラベルの例
='売上金額_'&$(年Y)

 

③比較する年を動的に変更するパターン(並列ステートの利用)

上記①の基本パターンでは比較する年を固定値で設定していました。変数を組み合わせることで比較する年を動的に変更することも可能です。

<並列ステートを利用したメジャーの設定サンプル>
▼メジャー_X:2022年の売上金額
Sum({<年=State1::年>} [売上金額] )

▼メジャー_Y:2023年の売上金額
Sum({<年=State2::年>} [売上金額] )

※並列ステートについては複数条件のデータを並べて比較分析してみよう!の記事をご参照ください。


 
▼ プロットを色分けする

前年比でプラスかマイナスかを判別しやすくするために色分けをします。サンプルのアプリではプラスだったら青色マイナスだったら赤色で表示しています。設定の方法は下記のとおりです。


散布図のプロパティで[スタイル]-[色と凡例]でスイッチをカスタムに切り替えて[数式を使用]します。

Qlik 前年比の散布図の設定方法
色の数式で比較する2つの数値を引き算しIf文で色を分岐します。
① SET数式で比較している場合
 Sum({<年={'2023'}>} [売上金額] ) - Sum({<年={'2022'}>} [売上金額] )>0 , LightBlue() , LightRed())

②変数で動的に数値を設定している場合
Sum({<年={'$(年Y)'}>} [売上金額]) - Sum({<年={'$(年X)'}>} [売上金額])>0, LightBlue() , LightRed())

③並列ステートで動的に数値を設定している場合
Sum({<年=State2::年>} [売上金額]) - Sum({<年=State1::年>} [売上金額])>0, LightBlue() , LightRed())

 

下記の記事も合わせてご確認ください。


Qlikトレーニングブログ:SET分析再入門2(SET分析の詳細と指定例)



以上です

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