年代別の歴代最強プレーヤー(1970年代)【記録で見る男子テニス】
- SENSUKE KURIYAMA

- 8月29日
- 読了時間: 4分
歴代最強のテニス選手を年代別で大研究!まずは1970年代、J.コナーズ、R.レーバーをはじめとする往年の名選手たちの時代です。(特集ページ:記録で見る男子テニス2024年版)
1968年から2024年3月までのデータをQlik Senseアプリで分析しました。
※ データソースは「Huge Tennis Database」です。各種情報を参考にした独自集計のため、お楽しみの範囲ということでご了承ください。▼1968年~1979年のサマリ
~1970年代ということで、記録データのある1968年から1979年までのツアー記録を対象に絞り込みました。実に3,222名の選手が戦った1,858大会(92,118試合)の記録です。表1はタイトル数ランク上位10名のリストです。J.コナーズ、R.レーバー、I.ナスターゼが上位3名となっています。4位以下は、B.ボルグ、S.スミス、A.アッシュ、G.ビラス、J.ニューカム、K.ローズウォール、T.オッカーと並んでいます。
(表1:1968年~1970年代のプレーヤー)

▼各指標の上位選手(勝利数、勝率、タイトル数、グランドスラム勝利数)
表2は期間中にランキング10位以内に到達した選手の上位に絞り込んでいます。タイトル数の多い順に並べ替え、各指標のトップ3に色を付けています。
(表2:1968年~1970年代のタイトル数ランキング)

<勝利数>
I.ナスターゼが845勝で1位、A.アッシュが811勝で2位、S.スミスが740勝で3位です。60年代後半から第一線で戦っていた選手が上位に来ています。グランドスラムでの勝利数では、A.アッシュが106勝で1位、同数2位に102勝のJ.コナーズとB.ボルグが続いています。
<タイトル数>
J.コナーズが79勝で1位、R.レーバーが72勝で2位、I.ナスターゼが66勝で3位です。次点に53勝のB.ボルグがいます。
<勝率>
1位はJ.コナーズの.861、2位はB.ボルグの.826、3位はJ.マッケンローの.814です。興味深いのはその他の指標では圏外にいるJ.マッケンローです。「Tour(大会数)」の値が65とひときわ少ない値にも関わらず、タイトル数で上位に入り勝率では3位になっている事実です。
▼~1970年代の栄枯盛衰
各指標でトップ3に入った選手たちを中心に勝利数のトレンドを比較してみました。表3は勝利数トップの3名です。1967年以前のデータはごく一部のみしか記録されていませんが、I.ナスターゼの1972年から1973年にかけたパフォーマンスの高さが目立ちます。他2名も1968年時に既に全盛期を迎えていたことが見て取れます。
(表3:~1970年代、勝利数トップ3の勝利数トレンド)

また、表4でタイトル数トップ3を見てみると、R.レーバーが1969年のピークから下降線をたどる一方で、I.ナスターゼは1968年から1973年のピークまで急激に伸ばしています。ただ高いピークから急降下しているのが見て取れます。I.ナスターゼに数年遅れてJ.コナーズが出てきており、1979年においてもトレンドをキープしている点が対照的です。
(表4:~1970年代、タイトル数トップ3の勝利数トレンド)

勝率トップ3(表5)を見てみると1976年に出てきたJ.マッケンローの勢いのすごさが印象的ですね。J.コナーズから2年遅れてB.ボルグが出てきており、ナスターゼ → コナーズ → ボルグという移り変わりが興味深いです。
(表5:~1970年代、勝率トップ3の勝利数トレンド)

▼参考記録)1970年代のATPランキング1位在位週
こちらは参考記録となりますが、年代ごとの最強プレーヤーを語る上で各年代でランキングNO.1であったことは非常に大きな指標となります。ランキングデータが1973年9月17日以降しか入手できていないので、参考記録とはなりますが表6をご確認ください。
1970年代(1973年9月17日以降)にNO.1になったのは、J.コナーズ、B.ボルグ、I.ナスターゼ、J.ニューカムの4名です。期間中のNO.1在位週は、J.コナーズ89週、B.ボルグ29週、I.ナスターゼ10週、J.ニューカム1週となっています。コナーズに挑むボルグといった感じでしょうか。2位在位週でもこの2名が上位です。
また、2位在位週、3位在位週を見てみると、G.ビラスとJ.マッケンローが上がっているあたりは1980年代の勢力図を感じさせるものがあります。
(表6:1970年代(1973年9月以降)、ランキングNO.1プレーヤー)

では、このNO.1プレーヤー4名のランキング推移を見てみましょう。表7で確認してみました。ランキングデータは週ごとの更新となるため、10年分を表示すると一目でトレンドが辿れませんので、3月、6月、9月、12月分のみに絞り込みました。前述の移り変わりを裏付けるように、1973年はI.ナスターゼ、1974年以降はJ.コナーズの時代となっています。1979年9月にB.ボルグがNO.1を奪取し1980年代に突入していく様子が伺えます。
(表6:1970年代(1973年9月以降)、NO.1プレーヤーのランキングの移り変わり)

▼~1970年代の最強プレーヤー
このように記録を見てみると、1970年代の最強プレーヤーは「ジミー・コナーズ」と言い切って問題ないと思います。
以上






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