【学生テニス】2022年関西1部リーグを分析調査!
更新日:2023年8月31日
2022年1部リーグ_男子は近大が優勝!2位の関西学院大とともに王座出場決定!
※本記事のデータはインターネットに公開されている各種記事などから取得し独自に集計したものです。あらかじめご了承ください。 (テニスマガジンオンライン 他 https://tennismagazine.jp/article/detail/22064 )
▼大学対抗テニスリーグ戦について(男子)
大学対抗で行われるリーグ戦は大学テニス界の一大イベントです。各地域ごとに団体戦形式でリーグ戦が行われます。各地域の1部リーグ上位2校が秋に開催される「全日本大学対抗テニス王座決定試合」(※通称 王座)に出場することでき大学日本一をかけて戦います。
関西学生は1部から5部で編成され、各6校で総当たりのリーグ戦(5部は予選リーグ+トーナメント)で順位を決めます。リーグ戦終了後には、各部の上位2校と下位2校で入替戦が行われます。 団体戦の形式は、男子はシングルス6本、ダブルス3本の計9本で行われ、5本取った方が勝利というなります(女子はシングルス3本、ダブルス2本の計5本です)。
ダブルス3本から入り、3試合終了後に順次シングルスを行います。1日で9本行うため、ダブルス3本の勝敗がその後のシングルスに与える影響は大きく、個人戦では考えにくい番狂わせなどもあり、非常に盛り上がりまさに大学の威信をかけた戦いです。
▼男子1部の結果と大学別総勝利数(関西学生)
2022年の関西男子1部リーグ結果は次のとおりです。(※詳細は関西学生HPへ)
1位:近畿大学(5勝0敗)
2位:関西学院大学(4勝1敗)
3位:関西大学(3勝2敗)
4位:同志社大学(2勝3敗)
5位:立命館大学(1勝4敗)
6位:甲南大学(0勝5敗)
今回は個々の勝敗は抜きにして、各大学ごとの勝利数を分析してみました。基準となる数値としては、全勝した場合の45勝(9本 × 5対戦)となります。
<大学別勝利数>

まず、優勝した近畿大学が38勝(7敗)を挙げています。勝率.844の圧倒的な強さでした。次いで31勝(14敗)の関西大学が勝率.689で続きます。さらに、26勝(19敗)の関西学院大学が勝率.578でここまでが勝率5割以上です。
この上位3校の中で、勝利数と最終順位の逆転が発生しています。最終順位2位の関西学院大学と3位の関西大学です。また、これと同様に下位3校でも最終順位5位の立命館大学(10勝)と6位の甲南大学(11勝)で逆転が発生しています。
こういったところが、団体戦で戦うリーグの面白いところです。
▼ダブルス、シングルス別で掘り下げて分析
先ほどのグラフにシングルスとダブルスの区分を追加してみました。オレンジ色がシングルスで青緑色がダブルスです。
<大学別勝利数_ダブルス/シングルス>

順位と勝利数の逆転が発生している「関西大学と関西学院大学」「甲南大学と立命館大学」において、それぞれダブルスの勝利数が最終順位とリンクしています。
関西学院大学(2位、D11勝)ー 関西大学(3位、D9勝)
立命館大学(5位、D4勝)ー 甲南大学(6位、D2勝)
興味深い結果となりました。
「リバウンドを制する者は試合を制す‼ by 赤木剛憲」ばりに、
「ダブルスを制する者はリーグを制す‼」なのかもしれません。
▼さらに、ランク区分別で掘り下げて分析
さらに、掘り下げてシングルスをNo.1~No.3までの上位と、No.4~No.6の下位に区分してみました。それぞれのランクで全勝すると15勝(3本 × 5対戦)を基準にしながらご覧ください。
<大学別勝利数_出場ランク別>

優勝した近畿大学が各層にて強さを発揮していることがよく分かります。
特徴的なのは関西大学で、シングルス上位で14勝(1敗のみ)と圧倒しながらも、他の層で勝ち切れずといった状況です。対照的に関西学院大学が、シングルス上位では7勝と4位の同志社大学よりも少ない結果となっています。同様に立命館大学はシングル上位で1勝となっており、この2校がそれぞれ最終順位を逆転していることが今年のリーグ戦の傾向を表しているように思います。
すべての層において強かった近畿大学が優勝!
ダブルスとシングルスの下位層でポイントを重ね総合力で順位を上げた関西学院大学と立命館大学!
※参考NOTE ちなみに、リーグ戦の中でダブルスのペアは戦略的に組み換えされることがよくありますが、関西学院大学は5戦通じて3ペアのみで戦っています。これが今年の関西学院大学の自信と強さを支えた要因だったのかもしれません。

▼それぞれのランク区分別で個人成績を確認!
こういった全体傾向が見えてくると個人成績が気になりました!
ということで、リーグ戦の個人成績をランク区分ごとの勝利数で一挙公開です。
<各層の個人勝利数>※クリックで最大表示
シングルスNo.1~No.3 | シングルスNo.4~No.6 | ダブルスNo.1~No.3 |
![]() | ![]() | ![]() |
各層で5戦全勝をあげたのは下記の選手たちです。まさにリーグの傾向を象徴しています。
松田康希 選手(関大):シングルス上位
奥地佑都 選手(近大):シングルス下位
篠田玲/堤野竜司 ペア(関学大):ダブルス
また、4勝をあげた選手たちも傾向を象徴した結果となりました。
中村秋河 選手(関大):シングルス上位
新出悠月 選手(近大):シングルス下位
河野甲斐/川田瑞基 ペア(近大):ダブルス
中屋敷勇人/中里翼 ペア(近大):ダブルス
▼オマケ:来年の戦力はどうなるか?!
さいごに、今年の結果をもとに来年の各大学の戦力をうらなってみました。シングルスに出場した選手の学年を軸に分析することで卒業する4回生の影響が垣間見えます。
<大学別勝利数_回生別>

各グラフの一番下が4回生です。
関西大学、同志社大学はポイントゲッターの4回生が抜けるので、この穴を埋めることが課題となりそうです。近畿大学は1、2回生の活躍が目覚ましく更に強くなる可能性を秘めています。というわけで、このグラフから4回生を省いてみたのが下記のグラフです。
<大学別勝利数_回生別(1~3回生)>

各校(特に上位校)ともリーグ戦に出場していない層にも有力選手がいるので、この分析がすべてではありませんが、それぞれの新チームがどのような陣容になる楽しみです。
来年の陣容をもう少し違った視点で見てみます。「勝利数」ではなく「出場選手数」に切り替えることで人数的な戦力を確認しました。
<大学別リーグ選手数_回生別>

<大学別リーグ選手数_回生別(1~3回生)>

近畿大学、関西学院大学が少し抜けています。リーグ戦を経験した選手がいるということは、チームにとって大事なポイントになるので、各校1、2回生の一定数がリーグを経験できたことは今後のチーム作りに明るい要素になると思います。
コロナの影響もあり、3年ぶりに開催された大学対抗リーグ戦。実際の戦いもさることながら、データで見ることもまた違った面白さがありました。
近畿大学の皆様、優勝おめでとうございます!
2位の関西学院大学の皆様も王座出場おめでとうございます!
関西代表として王座での活躍を応援しています!!
以上
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